今回の旅は、仕事を終えた夜から関西を出発し、灼熱の夏を逃れて標高1900mの信州へと向かうドライブ旅です。(令和6年8月10日~8月13日)
いよいよこの旅一番の目的地「標高1900mの秘湯」へと向かいます。
信州ドライブのこれまでの記事①→<木曽路で車中泊し奈良井宿を散策>
信州ドライブのこれまでの記事②→<下諏訪から諏訪湖を訪れる>
蓼科への道:縄文の遺跡と東山魁夷が描いた池を訪ねて
高原へ向かう道
PM1:10、諏訪湖散策を終え、すっかり汗ばむ中で次の目的地へと車を走らせます。今日は猛暑の影響もあり、標高1900mの涼しい蓼科高原を目指しての旅。午後を過ぎると標高700mに位置する諏訪湖も猛暑になり、徐々に疲労感が増してきました。

国道20号線はお盆休みの渋滞があちらこちらに広がりスムーズに向かう事が出来るのか不安になりますが、googlemapの渋滞情報を頼りにカーナビとは違った上川沿を行くルートで進みます。
やがて茅野駅前を過ぎ、高原への道に入ると、車窓から見える風景も徐々に変わり始めました。高原の緑が目に映るたび、少しずつ気持ちも軽くなっていきますが、まだまだ暑さは残り、車の温度計を見ても外気温30℃を切ることはありません。
尖石縄文考古館への寄り道
PM2:10、ようやく辿り着いたのは八ヶ岳連峰の裾野に広がる「尖石縄文考古館」。
標高1000m程に位置しまして、先ほどまでの暑さから少しだけ解放された気がしましたが、それでもまだまだ汗ばむ陽気。
車を降りた瞬間の涼しさに「少し楽になったかな」と思いつつも、気温は想像以上に高く、完全な涼しさを感じるにはまだ遠いといったところです。
そんな中、考古館へ入るとクーラーが心地よく、まずは館内の涼しさとともに心が落ち着きます。
さて、縄文時代の遺跡に触れながら、当時の暮らしや文化を勉強いたします。


尖石縄文考古館は、八ヶ岳の裾野に広がる茅野市に位置し、縄文時代の生活や文化を深く知ることができる施設です。茅野市周辺は日本有数の縄文遺跡が多く発見されている場所なんですね。
尖石縄文考古館はその名の通り「尖石(とがりいし)遺跡」と「与助尾根遺跡」という2つの遺跡を中心に、縄文時代中期の人々の暮らしや文化を学ぶことができます。
館内に入って、まず目を引くのが「土偶」です。尖石縄文考古館で展示されている「仮面の女神」と呼ばれる土偶は、国宝にも指定されており、その精巧な造りやデザインから、縄文時代の高度な技術と信仰の一端を垣間見ることができます。


また、尖石縄文考古館では、縄文時代の道具や装飾品の展示が豊富にあり、彼らが日常生活で使用していた石器、土器、骨角器などを見ることができます。例えば、石鏃(矢じり)や石斧といった狩猟用の道具、磨製石器や土器の技術が発展していたことがわかる展示が印象的です。
考古館を後にして考古館の裏手に広がる遺跡公園には、実際に竪穴式住居の跡が復元されており、当時の人々がどのような生活をしていたかをリアルに体感することができます。


U字型に並ぶ集落跡は、広場を中心に環状に家々が並んでいたことがわかり、これが日本で最初に発見された縄文時代の環状集落であることも驚きです。環状集落は、生活や祭祀が集中的に行われた場所で、集落の配置や規模から当時の社会構造や信仰に対する考え方が垣間見えます。
歴史に触れ、茅野市の過去に思いを馳せた後、緑の中に佇むその風景は、縄文時代の暮らしを生き生きと蘇らせてくれるようで、訪れる価値のある場所です。
奥蓼科温泉郷へ
PM3:00、次なる目的地は、標高1900mに位置する秘湯「奥蓼科温泉郷」。

この地域へは「湯みち街道」という道を通ります。少しずつ標高が上がり、ハスラーのエンジンはフル回転💦軽四だと中々大変なほど山道が険しくなってきました。この道は、奥蓼科温泉郷や明治温泉への唯一のアクセスで、奥蓼科温泉郷が道の終点となっています。
御射鹿池の立ち寄り
PM3:00、奥蓼科温泉郷を目指す途中、標高1500mほどの場所に差し掛かると、涼しさがさらに増してきました。そんな山道を進む中、たくさんの人だかりを目にし車の速度を緩めます。「御射鹿池」と言う標高1500mに位置するため池です。




車を降りて池のほとりを歩いていると、これまでの暑さが嘘のように心地よい風が吹いてきます。この池は、日本画家・東山魁夷の作品「緑響く」のモチーフとなった場所としても有名で、その静謐な風景に心が洗われるような感覚を覚えました。
ファインダーを覗くと、目の前には東山魁夷が描いた世界そのものが広がり、息を呑むほどの美しさ。水面に映る木々の緑、風で揺れる枝葉、そして池に反射する空の色が一体となり、まるで絵画の中にいるかのような錯覚に陥ります。
ここでは、もう暑さを感じることはなく、心地よい空気に包まれながら、穏やかな時間を過ごすことができました。これぞ高地ドライブの醍醐味です。
PM3:30、御射鹿池を後にし、ここからは寄り道をせずに、目的地の「奥蓼科温泉郷」へ。いよいよ秘湯でのひとときを楽しむ準備が整いました。
山奥の秘湯で出会った涼しさと自然の癒し:奥蓼科温泉郷 渋御殿湯へ
狭小の悪路を超えると、超絶涼しい秘湯の霊湯・奥蓼科温泉郷に到着
御射鹿池を後にして道はさらに険しさを増し、アスファルトが剥がれた細い山道や崖っぷちを走ることに。まるでサバイバルのようなスリルを感じながら、奥蓼科温泉郷への道を進むこと10分ほど。ようやく標高1900mに位置する「渋御殿湯」に到着しました。湯みち街道の終点に位置する、この山奥の秘湯はまさに非日常の空気感が広がります。
お盆休みのためか、駐車場に入るまで少し混雑がありましたが、車を降りた瞬間、下界とは別世界の冷涼な空気に包まれました。
これこそが、この秘湯まで足を運んだ甲斐があると思わせる瞬間。冷んやりとした空気が心地よく、テンションが一気に上がります。
渋御殿湯での宿泊と霊湯体験
宿は、どこか懐かしい山小屋のような趣のある建物。簡素ではありますが、大きな館内は東館と西館に分かれています。



客室に入ると広々とした和室には縁側があり、そこから眺める涼しげな渋川の流れが素晴らしい。外には赤とんぼが飛び交い、夏の終わりを感じさせる風景に、また一段と心が和みます。




ビール乾杯し長旅の疲れを癒しましてから、いよいよ温泉へ。まずは「東の湯」を目指しますが、さすが人気の宿、お盆休みで大混雑。
小さな湯船に10人ほどがひしめき合っていました。しばらく様子を見ながら、少し空いた時点で湯船へ。
最初に入ったのは、渋御殿湯の名湯「渋長寿湯」。湯船の底から自噴する「足元湧出温泉」で、湯温は31℃。涼しい気候の中で浸かると、少し冷たく感じますが、じんわりと体が温まっていく不思議な感覚。足元から湧き出す泡が、まるで地中からのエネルギーを体全体に届けてくれるようで、非常に心地よいです。
別の湯船に移動し、27℃の「渋御殿湯」源泉かけ流しの湯にも挑戦。最初は水風呂のように冷たく驚きましたが、浸かっていると徐々に体が慣れてきて、爽やかなリフレッシュ感が広がります。湯上りには、すっかり体が温まり、心地よい脱力感が残ります。
チェックイン後すぐの「東の湯」は結構混雑しておりましたので、夕食後に反対の「西の湯」に行ってみました。すると何と私一人の貸し切り湯だったので改めてじっくりと霊湯を体感。




<写真は後ほど訪れた「西の湯」の様子です。>渋御殿湯には宿泊者専用の「東の湯」と日帰り入浴もできる「西の湯」があります。
いやぁ霊湯と呼ばれる温泉、不思議な気持よさと癒しが体感できました。27℃の冷たい温泉ですがこれが癖になるんですよね。27℃の渋御殿湯の源泉かけ流しは、こちらの西の湯でも堪能できます。改めて一人っきりの贅沢な温泉時間を満喫できました。
自然との出会いと山の幸
温泉を堪能し部屋に戻る途中、廊下の窓の外をふと見ると…
なんとニホンカモシカの親子が目の前に!この山奥での自然との出会いに感動し、人里離れた秘境にいる実感が一層強まりました。
夕食は、山の幸をふんだんに使った質素ながらも味わい深い料理が並びました。豪華な料理ではないものの、自然の恵みをしっかり感じられる食事で心も体も満たされました。

その後、星空を眺めたかったのですが、温泉の心地よさと長旅の疲れから、晩酌後はすぐに眠りにつきました。しっかり布団で寝るのは、やはり最高の贅沢です。
清々しい朝と出発
翌朝AM6:50、清々しい気持ちで目覚め、宿の外を散策すると、まるで真夏とは思えない19℃の涼しさ。これほど涼しい朝を迎えられるとは、まさに非日常の贅沢です。
朝食をしっかりいただき、最後にもう一度温泉に浸かってから、AM8:00に宿を後にします。自然に囲まれたこの秘湯で、心も体もリフレッシュできたことに感謝しつつ、次の目的地へと向かいます。
次回は、蓼科高原から霧ヶ峰、ビーナスラインのドライブの様子をご紹介いたします!

信州ドライブのこれまでの記事①→<木曽路で車中泊し奈良井宿を散策>
信州ドライブのこれまでの記事②→<下諏訪から諏訪湖を訪れる>


















