「カニと鉄道の旅!③」旧余部鉄橋の歴史に触れ、冬の城崎温泉を満喫

昨日は播但線から山陰本線を途中下車しながらここ香住に到着し、カニと温泉を満喫いたしました。翌朝の本日は少し足を延ばして余部へ、そして城崎温泉をブラブラしてみたいと思います。

(旅の期間:令和6年12月30日~12月31日)

ここまでの旅行程はこちら→其の1其の2

朝の香住駅へ

朝9:40、宿でゆっくりと過ごしてチェックアウトしようとすると、外は予想以上の大雨。歩いて駅へ向かう予定でしたが、宿の方のご厚意で、他の送迎者と一緒に車で香住駅まで送っていただきました。

香住駅へ到着。天気予報では寒気が緩み、午前中は雨が降るものの、すぐに晴れ間が広がるとのこと。駅前は土砂降りですが、遠くの空が少し明るくなってきているので期待できそうです。

今日は香住駅から2駅西にある「餘部」まで足を延ばします。

切符を購入し、ホームへ向かいます。

香住駅のホームにはカニのオブジェが点在しており、旅情を盛り上げてくれます。

記念撮影📷を楽しみながら、列車を待ちます。

山陰本線で餘部へ

AM10:55、浜坂行きの普通列車が入線。山陰本線では、いまだに朱色のキハ47系が活躍しており、鉄道ファンにはたまらない光景です。

香住駅から餘部駅までは、日本海の荒波と断崖絶壁が織りなすダイナミックな景観が魅力の区間。

列車は矢田川を越え、徐々に高度を上げていきます。

トンネルを抜けると鎧駅に到着。高台に位置するこの駅からは、漁港と日本海を一望できます。

鎧駅を過ぎると、いよいよ餘部橋梁へ。

いくつものトンネルを抜けると突然視界が開け、まるで空中を走るかのような絶景が広がります。

海抜40mの高さを誇る全長310mの橋梁からの車窓風景は、山陰本線屈指のハイライト。

餘部駅と「空の駅」

餘部駅の表記は「餘部」ですが、橋梁の表記は「余部」。

実は、兵庫県には姫新線の「余部駅(よべ)」があり、混同を避けるため、餘部駅の開業時に異なる表記が採用されたのです。

ホームの先はそのまま「空の駅」に繋がります。「空の駅」は、約40mの橋梁と同じ高さに遊歩道が設置され、まるで橋の上を歩いている様な体験ができます。

また、使用されていた旧余部鉄橋の一部が保存され、往時の姿を間近で見ることができます。高所恐怖症の方は注意が必要です 笑

遊歩道の終点には、エレベーター「余部クリスタルタワー」が設置され、橋梁の真下へ降りることが可能です。

余部鉄橋の歴史と余部集落

旧余部鉄橋は明治45年に完成した日本有数の鋼トレッスル橋で、長年にわたり多くの鉄道ファンに愛されてきました。

しかし昭和61年12月、強風による列車転落事故を契機に、橋梁の架け替えが進められ、平成22年に現在のコンクリート橋へと生まれ変わりました。

鉄橋建設以前の余部集落は、険しい山々と日本海に囲まれた交通の不便な地域でした。

鉄橋が完成し鉄道が開通したことで、物流や人の往来が活発になり、地域経済の発展にも大きく貢献しました。

現在では、橋の歴史を伝える観光資源としても活用され、道の駅や資料館が整備されています。

道の駅「あまるべ」

鉄橋見学の後、道の駅「あまるべ」へ立ち寄ります。ここでは余部鉄橋や山陰ジオパークに関する展示、地元の新鮮な海産物を使ったレストランがあります。

レストランではカニちらし寿司丼、カレイの煮付け定食、海鮮カレーなど、魅力的なメニューが並んでいました。

資料館では、余部集落の歴史や鉄橋建設の経緯が展示されており、住民の尽力で昭和30年にようやく駅が設置されたエピソードが紹介されています。

鉄橋完成から駅の設置に至るまでの長い道のりや、地元住民の鉄道への思いを知ることができ、非常に興味深い内容でした。

また、山陰ジオパークの一環として、周辺の地質や自然環境についても詳しく紹介されており、この地域が長い年月をかけて形成されてきたことがよくわかります。

城崎温泉をぷらっと散策

AM12:10、余部鉄橋の見学を終え、次の目的地・城崎温泉へ向かう列車の時間が迫ってきました。

再びキハ47型に乗車し、45分ほどのローカル線の旅。車窓に広がる日本海の景色を眺めながら、温泉街へと向かいます。

PM1:04、城崎温泉駅に到着。ホームに降り立つと、一気に観光地らしい賑やかさが広がります。

次の特急「はまかぜ号」まで約1時間10分の待ち時間。せっかくなので、城崎温泉の風情を少しでも味わってみようと思います。

城崎温泉街を歩く

城崎温泉は、古くから「外湯めぐり」で知られる名湯。駅のすぐ隣には「さとの湯」があり、この日は温泉自体は休業中でしたが、足湯は利用可能とのこと。ひとまず温泉街を歩いてから、戻って堪能しようと思います。

駅前から温泉街の中心部へと歩くこと約5分。

道の両側には土産物店や飲食店、カニや地元の海産物を扱う店が軒を連ね、観光客で賑わっています。

帰りに立ち寄りたいお店をチェックしながら、さらに奥へと進みます。

やがて、温泉街のシンボルともいえる「大谿川(おおたにがわ)」に到着。

川沿いには柳並木が続き、浴衣姿の観光客が下駄を鳴らしながらそぞろ歩く光景が広がります。

風情たっぷりの温泉街らしい雰囲気に、思わず足を止めてしまうほど。

外湯めぐりの魅力

川を挟んで、北柳通りと南柳通りが並行して走り、その沿道には7つの外湯が点在。

まず目に入るのが「地蔵湯」。そこから「柳湯」「一の湯」と続きます。

城崎温泉の歴史は深く、2020年には開湯1300年を迎えたという名湯。文豪・志賀直哉の『城の崎にて』の舞台としても知られています。

さらに歩いていくと、木造三階建ての旅館が軒を連ね、太鼓橋が川にかかる風景が広がります。

ただ散策するだけでも情緒があり、つい写真を撮りたくなる美しさ。

「一の湯」を過ぎると、北柳通りは「湯の里通り」へと変わり、さらに温泉街の奥へ続きます。

対する南柳通りは「木屋町通り」となり、引き続き川沿いを進みます。

それぞれの道の先には「御所の湯」「まんだら湯」「鸛(こうのとり)の湯」があり、さらにロープウェイで「温泉寺」や「大師山」へ行くこともできます。

旅の締めくくりに

このあたりで小休憩。

朝の宿の食事が豪華だったこともあり、軽めの昼食として「但馬牛すき焼きまん」と地ビールをいただきます。

アツアツの肉まんと、キリッと冷えたビールの組み合わせは最高!

その後、駅へ戻る道すがら、お土産屋を覗きながら、駅前の酒屋で日本酒をショットで楽しむことに。

「竹泉ドラフト生酒」と「香住鶴純米吟醸」、どちらもキレのある味わいで、旅の最後にふさわしい一杯でした。

列車の発車まで残り15分。駅横の「さとの湯」で足湯に浸かります。

温泉の温度はかなり高めで、混み合っていなければ好みの湯加減を探しながら浸かるのがベスト。

結構混んでたので空いていた場所で足湯を試みますが激熱!♨

しかし、日本酒をチビチビ嗜みながら、高温の温泉に足を浸けては上げるを繰り返すと、じんわりと体が温まります。

帰路へ

さて、城崎温泉散策を満喫してホームへ向かうと驚くほどの人、人、人。

6両編成の「はまかぜ号」は満席で、数日前の予約時点でも横並びの席は取れなかったほどの混雑ぶりでした。

PM2:14、ついに城崎温泉を後にします。

駅で購入したクラフトビールとカニめしを楽しみながら、ゆったりとした帰路。

PM4:00、姫路に到着。

今回の旅は「冬の山陰をじっくり楽しむ」をテーマにしたはずが、結局いつものごとく慌ただしい行程に(笑)。それでも但馬・山陰の魅力を存分に堪能できた、充実の旅となりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!また、近々旅立ちたいと思います(^-^)

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