今回の旅は1泊2日で長野を巡る旅。朝一の新幹線で関西を出発し、長野に到着。そこから長野電鉄に乗り継ぎ、終点の湯田中駅へとやってきました。
前回の記事→長野の旅①:北陸新幹線で行く冬の信州
4両編成の特急「ゆけむり」、終点・湯田中へ到着!
乗車してきた列車は特急「ゆけむり」。長野県は北海道に次いで全国2位(210か所)を誇る温泉地の宝庫ですが、その中でもここ湯田中は特に温泉が密集するエリアです♨
温泉ももちろん楽しみですが、今回の目的はもう一つあります。
湯田中駅まで運行される特急には「ゆけむり」のほかに「スノーモンキー」という名前の列車もあります。そう、この「スノーモンキー」にちなんだ観光地——温泉に入る野猿たちが見られる「地獄谷野猿公苑」に行ってみることにしました!
湯田中駅からさらに山奥へ進んだ場所に、たくさんの野生のニホンザルが生息するこの公苑は、国内外から観光客が訪れる人気スポット。さっそく向かってみます!
湯田中駅からバスでスノーモンキーパークへ

湯田中駅前から公苑へはバスが運行しているとのこと。特に深く考えず、気の向くままに乗り込んでみました。
約10分ほど揺られ、目的地である「スノーモンキーパーク」バス停へ向かいます。

AM12:30 湯田中駅発車
バスに乗り込むと、車内はほとんど外国人観光客。おそらく8~9割が海外からの訪問者でしょう。さらに驚いたのは、ほぼ全員が同じバス停で下車したこと!
車内のアナウンスも日本語に加えて英語・中国語・韓国語と多言語対応。もはやここは海外なのでは?と錯覚するほどの光景でした(笑)。
AM12:50 スノーモンキーパークバス停到着
ここからが本番!山道を歩いて公苑へ
「スノーモンキーパーク」と名のついたバス停で降りたので、すぐに着くのかと思いきや……ここからさらに歩かねばならないようです。
しかも、この日は今シーズン最強寒波が到来しており、道路はアイスバーン状態。キャリーケースを引きながら進むのは正直ためらわれましたが、とりあえず行けるところまで行ってみることにしました。
キャリーケースを引きながら800mほど登ると、一般車の駐車場に到着。ここで警備員さんに確認したところ、入場口で荷物を500円で預かってくれるとのこと!少し希望が湧いてきました。これは頑張るしかない。
バス停から1kmほど歩くと、「地獄谷野猿公苑入口」と書かれた看板を発見。ついに到着……!と思いきや、ここからさらに1.6kmの道のりが待っていました💦
しかも、目の前には凍結した階段が続いています。これはなかなかの試練になりそうです。
雪景色の遊歩道を慎重に進む
階段を上ると、すぐに左側が崖になった遊歩道が続いていました。道のあちこちが凍結していて、油断するとすぐに足を滑らせそうです。私も何度か転びそうになりながら慎重に進んでいきます。
歩みを進めるにつれて、周囲の景色は一面の銀世界へと変わっていきました。
遊歩道の入り口から約25分。ようやく小さな東屋(休憩所)に到着。
辺りは真っ白な雪に包まれ、時折、大粒の雪が舞い落ちてきます。風情ある静かな景色にしばし見惚れながら、少し休憩を取ることにしました。
東屋からさらに10分ほど歩くと、雪に覆われた建物が見えてきました。どうやらゴールはもうすぐのようです。
横湯川を挟んで見える秘湯「後楽館」
道沿いの横湯川を挟んだ対岸に、歴史を感じさせる大きな家屋が見えてきました。ここは「地獄谷温泉 後楽館」という温泉旅館です。
現在は外国人観光客も多く訪れる人気の宿となっていますが、かつては人里から2km離れた一軒宿で、物資も徒歩で運び、自家発電で灯りをともしてきたという秘湯の宿。長い年月をかけてこの場所を守り続けてきた歴史があるのですね。
そんな歴史ある宿のすぐそばには、巨大な氷の窯のようなものがあり、そこから黙々と湯けむりが上がっています。
これは「渋の地獄谷噴泉」。後楽館の源泉でもあり、高さ20mにも達する自然噴泉で、国の天然記念物にも指定されています。
いよいよ地獄谷野猿公苑へ!
後楽館の入り口を過ぎると、再び石段が見えてきました。ここがようやく地獄谷野猿公苑の入り口!長い道のりでしたが、ついに到着です。
石段を登ると受付の建物があり、入場料800円を支払って苑内へ。
受付の建物内では、無料で温かいお湯が飲めるサービスがあり、冷えた体がほっと温まります。さらに、100円リターン式のコインロッカーもあるので、荷物を預けて身軽になって向かうことにしました。
ついにスノーモンキーと対面!
後楽館を横目に100mほど歩くと、前方にたくさんの人だかりが!
大きなカメラを持った外国人観光客たちで賑わっています!
ようやくお目当ての野猿に出会うことが出来ました🐒
スノーモンキーたちの温泉タイム♨️
なんと、お猿さんたちが気持ちよさそうに温泉を満喫しています♨️
今日は特に冷え込んでいるから、湯の温もりがより一層心地よさそうですね。
よく観察していると、群れの中にもそれぞれ個性があるようです。
親子で寄り添う姿、威厳を漂わせるボス猿、好奇心旺盛でちょっかいをかけるお調子者、一匹でマイペースに過ごすソロタイプ…。
毛づくろいをし合ったり、時には小競り合いをしたりと、温泉の中でもモンキーライフドラマが繰り広げられています。
ずっと見ていても飽きません。
雪の中で生きる野生猿の姿
温泉エリアを少し離れると、また違った光景が広がっています。
雪の中で無邪気に遊ぶ子猿、身を寄せ合って寒さをしのぐ親子…。
こうして間近で野生の猿たちの自然な姿を見られるのは、なんとも興味深い体験です。
猿の毛に舞い降りた雪の結晶がきらめき、まさに “スノーモンキー” という名にふさわしい光景が広がります。
気づけばもう14時20分。
帰りのバスの時間を考えると、そろそろ戻らなくてはなりません。
来たときよりも雪が強くなっているような…。
気を引き締めて、慎重に帰路につきます。
雪道を抜けて渋温泉へ
ようやくキャリーケースを預けたインフォメーションセンターまで戻ってきました。
雪道を歩いた影響で、往路よりも時間がかかり、気づけば40分も経過💦
そしてここからは、キャリーケースを引きながらアイスバーンになった坂道を下るという難関が待っています。
転ばないように、慎重に、慎重に…。
ようやくバス停に到着したのは15時20分。
……乗る予定だったバスの15分後でした(泣)
次のバスは1時間後。
次の目的地は、ここからバスで5分ほどの渋温泉。
距離にして2km弱。
うん、歩くしかない!
渋温泉へ歩いて向かう
緩やかな下り坂を進みながら、渋温泉の中心地を目指します。
雪道を歩き続けて足腰は悲鳴を上げそうですが、次第に「ナチュラルハイ」状態に……?(笑)
何より、風情ある町並みが目に入るたびに、疲れを忘れてしまいます。
白壁の大きな酒蔵が見えてきました。
ここは「ギャラリー玉村本店」。ギャラリーを併設し、日本酒を楽しめるお店です。
せっかくなので、ちょっとひと休み。
心も体もほっと一息ついたら、再び歩き出します。
しばらく進むと、湯けむりがもくもくと上がる光景が。
温泉の町を歩いている実感がぐっと湧いてきます。
さらに歩き続けると、渋温泉街を一望できる場所に到着しました。
こうして自分の足で歩いて辿り着くと、街並みの風情や、そこに流れる空気をより深く感じられます。
時刻はもうすぐ16時。
今日は、この信州を代表する湯田中・渋温泉で、ゆったり湯に浸かるとしましょう♨️
今からは渋温泉の町歩きを満喫!次回は9つの外湯めぐりや温泉宿の様子をお届けします!
<続きの記事▶ノスタルジックでレトロな温泉街・渋温泉探訪記>




























































