長野の旅④:北斎の足跡をたどる小布施散策と門前町・善光寺へ

1泊2日で巡る冬の長野旅。
長野駅から電車で約50分、湯田中へ向かい、雪深い地獄谷をハイキング。そして渋温泉郷で湯めぐりとレトロな温泉街散策を経て一泊した翌朝。

ここまでの旅路は次のリンクを是非お読みください↓

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AM9:50 湯田中駅に到着

清々しい朝の空気を吸い込みながら、本日はまず電車で20分ほどの小布施へ向かいます。

信州特有の雪の山並みが広がる車窓を眺めつつ、どんな町並みが待っているのかワクワクしながらの移動です。


AM10:15 小布施駅に到着

小布施駅に降り立つと、ホームには地元産のリンゴやジュースが並び、旅人を温かく迎えてくれます。

改札を出るとすぐ横には「ながでん電車の広場」があり、2000系D編成が保存展示されていました。鉄道好きならつい足を止めてしまう場所ですね。

さて、小布施の町は元々観光地として発展したわけではなく、栗菓子の製造など伝統的な産業が栄えた町。その歴史を生かした町づくりが進められ、現在では北信濃有数の観光地として多くの人が訪れる場所となっています。

外国人観光客の姿もちらほら。駅から中心地までは約800m、のんびり歩いて向かいましょう。

栗と歴史が息づく町並み

メインストリートを進むと、まず目に入るのが小布施堂本店。重厚な武家屋敷造りの門をくぐると、風情ある中庭に囲まれたカフェやレストランが点在し、どこからともなく栗の甘い香りが漂ってきます。

さらに歩くと「栗の小径」や「幟の広場」といった美しいスポットがあり、どこを切り取っても絵になる町並みが続いています。

白壁の蔵、レンガ造りの煙突、そして歴史を感じる古民家の間にモダンなカフェが溶け込む風景は、歩いているだけで楽しいものです。

北斎館へ

そんな風情ある町並みを進むと、ついに北斎館に到着。小布施が誇る文化的スポットのひとつです。

小布施は、葛飾北斎が晩年に滞在し、数々の名作を残した町。1842年、83歳の北斎は江戸を離れ、小布施を初めて訪れました。そのきっかけについては諸説ありますが、地元の豪商・高井鴻山の招きを受け、ここで画業の集大成を目指したとも言われています。

北斎の世界に浸る

館内は落ち着いた雰囲気で、ゆったりとした空間がひろがります。そして、入館者が少ないので没頭して作品を鑑賞することが出来そうです♬

この日は企画展「インフルエンサー 北斎」が開催されており、時代を超えて影響を与え続ける北斎の魅力に改めて引き込まれました。

北斎の作品は、浮世絵の枠を超え、デザインとしても広く愛されました。

「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」などの富士山シリーズはダイナミックな構図で広く知られていますが、一方で「深川万年橋下」のように細部まで緻密に描かれた作品もあり、北斎の多彩な表現力がうかがえます。

その影響は当時の反物の柄や装飾品にまで及び、現代のアートやファッションにも通じるものがあります。

豪華絢爛な屋台

館内を巡っていくと、最後に目を引くのが立派な屋台。

これは、北斎を招いた高井鴻山が私財を投じて作らせたもので、飾り舞台には「水滸伝」の軍師・皇孫勝と天空を舞う龍の木彫が施されています。

その精巧な造りに、思わず足を止めてじっくりと見入ってしまいました。

北斎館を後にして

約1時間、じっくりと北斎の世界に浸った後、外へ出るとふとどっと疲れを感じました。昨夜の渋温泉散策に加え、今朝はバスを使わず宿から湯田中駅まで歩いたこともあり、足の疲れがじわじわと押し寄せます。

それでも、北斎の作品に魅了され、気がつけば時間を忘れて夢中になっていたのだから、それだけ充実した時間だったのだと実感しました。

AM11:20 小布施の栗菓子でほっと一息

北斎館のすぐ近くにある「栗庵風味堂」へ立ち寄り、ひと休みすることに。店内には栗ようかんや栗きんとんなど、魅力的な栗菓子がずらり。

奥には喫茶スペースがあり、コーヒーを注文すると「初栗」という栗の焼き菓子がサービスで付いてきました。栗の甘さとコーヒーのほろ苦さが絶妙にマッチし、まさに至福のひととき。

お土産を購入し、心も体も満たされたところで、そろそろ駅へ向かうことにします。

AM12:30 長野駅へ

小布施の散策を終え、ここでこの旅路のもう一つの目的であったプライベートの用事のため長野駅へ戻ることにしました。

所用を済ませてから、旅の締めくくりとして善光寺を訪れる予定です。


PM2:40 昼食 – 信州の味を楽しむ

用事を済ませると、あっという間に時間が過ぎていました💦
少し遅めの昼食を駅前でいただくことにします。

長野駅のステーションビルMIDORIには多くの飲食店や土産物店があり、その中の蕎麦屋でランチを楽しむことにしました。

ランチセットは、天丼とかけそばの組み合わせ。そこに地酒を一杯添えて、信州の味覚を存分に堪能します。

温かいそばと日本酒の相性は抜群!寒波到来中の寒い散策、熱々の蕎麦と美味い地酒で旅の疲れがほぐれる至福のひとときやー🍶

さて、ほっこりとし長野旅の最後は善光寺参拝で締めくくることにしましょう。駅前東口からバスに乗り、善光寺大門へ向かいます。


PM3:25 善光寺大門から本堂へ – 風情あふれる参道散策

① 善光寺大門(ぜんこうじ だいもん)

バスを降りると、善光寺門前町の入り口「善光寺大門」に到着。ここは参拝の起点ともなる場所で、多くの観光客や参拝者が行き交い、門前町らしい風情が漂います。

このバス停は、かつて北国街道(別名:善光寺街道)が参道へと続く要所に位置しています。江戸時代には伊勢参りや西国札所巡りを終えた人々が、最後に善光寺へ立ち寄り、江戸へ戻るのが定番の巡礼ルートでした。

その往時の歴史が感じられる参道の脇には、多くの宿坊が立ち並び、堂明坊や堂照坊もそのひとつ。歴史ある町並みの中、静かに佇む宿坊の建物は、長い歴史の中で、全国から多くの参拝者が訪れた門前町の趣を感じさせます。

ここから本堂までは約500m。風情ある町並みを眺めながら、のんびりと歩くのにちょうどよい距離です。

② 仁王門(におうもん) – 善光寺の守護神

宿坊を横目に参道を進むと、大きな赤い門「仁王門」が姿を現します。左右には高さ5mもの仁王像が安置され、訪れる人々を静かに見守っています。

この門は善光寺の表門にあたり、ここをくぐると本堂へと続く参道がまっすぐに伸びています。

③ 仲見世通り – 風情あふれる門前町

仁王門を越えると、参道の両側にはお土産屋や老舗の飲食店が立ち並び、賑やかな雰囲気に包まれています。ここは「仲見世通り」と呼ばれ、江戸時代から続く善光寺門前町としても栄えてきた場所です。

今日は寒波の影響か平日の為か、シャッターが閉まったお店もちらほらありましたが、それでも名物の「八幡屋磯五郎の七味唐辛子」や「みそソフトクリーム」、老舗のそば店が軒を連ね、歩くだけで食欲をそそられます。

さらに、旅籠の趣を残した建物や、漆塗りの工芸品を扱う店などもあり、古き良き日本の風情を存分に楽しめるエリアです。仲見世通りを進むと本格的に境内へと入ります。

④ 三門(さんもん) – 立派な山門を仰ぎ見る

目の前に壮大な木造建築「三門(山門)」がそびえ立っています。国の重要文化財にも指定されているこの門は、高さ20m以上の迫力ある造り。楼上には「善光寺」の扁額(へんがく)が掲げられ、堂々たる風格を感じます。

門をくぐると、本堂までの参道が真っすぐに続いており、振り返れば長野市街を見渡せる絶景が広がっています。

⑤ 本堂へ – 善光寺の御本尊に出会う

いよいよ本堂が目の前に。その威風堂々とした佇まいに、思わず足を止めて見上げてしまいます。日本最古の仏教寺院の一つであり、国宝にも指定されている善光寺本堂は、荘厳な雰囲気に包まれています。

本堂前には香炉があり、多くの参拝者が煙を浴びながら手を合わせています。私もここで線香をたむけてから参ります。

石畳の上を静かに歩き、善光寺の御本尊に手を合わせる瞬間は、心が引き締まるような特別な時間です。

参道を振り返ると、一直線に伸びる景色が壮観。500mほどの道のりでしたが、ゆっくりと歩いてくるとあっという間でした。


PM4:20 長野駅へ戻る

参拝を終え、バスで長野駅まで戻ってきました。これにて長野の旅も終わり、いよいよ帰路につくことにします。

PM4:40 名古屋経由で姫路へ

行きは北陸新幹線経由で長野へやってきましたが、帰りは中央線を利用して名古屋経由で姫路まで向かうことにしました。

長野から篠ノ井線~中央線を利用し名古屋から姫路まで東海道山陽新幹線と言うルート。このルートだと、所要時間は30分から1時間ほど長くなりますが、料金が5000円近く安くなります。(北陸新幹線が敦賀まで延伸するまではこれが最適ルートでした。)

という訳で、特急「しなの号」に乗り込み、ハイボールを片手に旅の余韻に浸りながら、車窓に流れる景色を眺めます。

PM8:00 名古屋到着

ひと眠りすると、もう名古屋。窓の外はすっかり暗くなり、ここからは新幹線で姫路へ向かいます。

PM10:00 姫路到着 – 旅の終わり

姫路駅に降り立つと、長かった2日間の旅が終わったことを実感します。旅の終焉は少しもの悲しさも感じますが、また次の旅が待っています。

こうして、信州の冬を満喫した今回の旅は幕を閉じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次の旅でお会いしましょう。

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