今回の旅は、初日と最終日に札幌での用事を挟みつつ、道央エリアを3泊4日でぎゅっと巡るコンパクトな旅。小樽からニセコ、そして洞爺湖温泉までのルートを経て、この記事では3日目の室蘭から白老を経由し札幌までをご紹介します。
北海道旅一日目娘と一緒に小樽観光編は[こちら]
北海道旅2日目(ニセコドライブ・有珠山火口原散策編)は[こちら]
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三日目の朝、天気はあいにくの雨模様
AM9:30。宿泊していた洞爺湖温泉のホテルをチェックアウトすると、ぽつぽつと雨が降り出してきました。今日はどうやら、終日ぐずついたお天気になりそうです。それでも旅は続きます。最初の目的地は、港町・室蘭。

室蘭は、鉄鋼業で栄えた北海道屈指の工業都市。でもその一方で、知る人ぞ知る絶景スポットが点在しているんです。市民が選んだ「室蘭八景」は、国の景勝地としても十分な価値がありながら、全国的にはまだまだ知られていない“穴場”ばかり。
今日はその中でも特に魅力的なスポットを巡ってみたいと思います。
北海道観光の穴場・絶景室蘭ドライブ
白鳥大橋を渡り、絶景の岬へ
洞爺湖から車で50分ほど。国道37号線を進んでいくと、工場の煙突が並ぶダイナミックな光景が目に飛び込んできます。いよいよ室蘭に入りました。
遠くに見えてきたのは、白鳥大橋。室蘭港をまたぎ、絵鞆(えとも)半島とを結ぶ、東日本最大級の吊橋です。ダイナミックな景観に思わずテンションが上がります。
橋を渡ってしばらく進むと、道は急な坂道へ。カーブをいくつか曲がると、見晴らしの良い展望台に到着しました。
AM10:50、「地球岬展望台」に到着!
名前からして壮大な「地球岬」。その語源は、アイヌ語で“断崖”を意味する「チケプ」。これが転じて「チキウ」、そして「地球」となったそうです。
展望台から見下ろす先には、白亜の「チキウ岬灯台」が。1920年(大正9年)に点灯して以来、航海の安全を見守ってきた歴史ある灯台です。
あいにくの曇り空ではありますが、晴れていれば駒ヶ岳や下北半島まで見渡せるとのこと。さらに運が良ければ、イルカやクジラの姿が海に見えることもあるとか!
展望台にある「幸福の鐘」は、カップルで鳴らすと幸運が訪れるかも?なんて話も。私たちも一応、試してみました(笑)
岬の周辺には散策路が整備されていて、季節の花々に癒されながらのんびり森林浴も楽しめます。渡り鳥の中継地としても知られ、ハヤブサの巣が見られることもあるそうです。
断崖絶壁と太平洋の水平線が織りなす風景は、「地球って丸いんだな」と感じさせる圧巻の眺め。まさに“北海道自然100選・第1位”にふさわしい絶景でした。
室蘭八景ドライブスタート!
さらに車を進め、絵鞆半島を縫うように続く絶景ロードへ。次の目的地へ向かいます。

最初に訪れたのは「金屏風」。その名の通り、朝日を浴びる赤褐色の断崖が金色に輝く姿は、まるで金の屏風のよう。
また、対になる存在として「銀屏風」も存在します。こちらは夕陽に照らされて銀色に輝きます。どちらも室蘭八景の一つとして海からの景観が特に美しいのだとか。
続いてたどり着いたのは、「トッカリショ」。
ここは“ピリカノカ”=美しい形の地としてアイヌに伝わる名勝の一つ。アイヌ語で「アザラシの岩」を意味するこの場所では、かつて多くのアザラシが集まっていたと言われています。
灰色の断崖絶壁が続き、荒々しくも静かなその風景は、言葉を忘れるほどの迫力。まさに“壁紙にしたくなる”美しさで、観光客も少ないため、ゆっくりと景色を堪能できました。
名物・室蘭カレーラーメンとの出会い
さて、午前の絶景巡りを満喫したところで、お昼ごはんは室蘭市街へ。せっかくならご当地グルメを…ということで、今回は室蘭のソウルフード「カレーラーメン」をいただきます!
「やきとり(実は豚肉!)」も室蘭を代表する名物ですが、こちらはビールが欲しくなる一品。ドライブ中の昼食にはちょっとハードルが高いため、今回はもうひとつの名物・カレーラーメンを選びました。
訪れたのは、地元で人気の「味の大王 室蘭本店」。

カレーラーメンのルーツは、昭和40年頃にさかのぼります。発祥は室蘭ではなく、お隣の苫小牧市にある「味の大王 総本店」。
その後、苫小牧の味の大王の系列店が室蘭にもオープンし、室蘭版のカレーラーメンが独自に進化。今では苫小牧と室蘭、双方に「味の大王」の店舗があり、ルーツを同じくしながらも味わいやスタイルが異なる、ちょっとした“派閥”のような盛り上がりを見せています。
そして現在では、室蘭のソウルフードとして市民にも旅行者にも広く親しまれているのです。
お昼時を少し前倒ししての来店だったため、待たずに入れましたが、食べているうちにどんどん行列ができはじめる人気ぶり!
もちろん注文は迷わず「カレーラーメン」をチョイス。
麺はちぢれ麺。濃厚でスパイシーなカレースープがしっかり絡み、一口目からクセになる美味しさ!少しピリ辛なところも食欲をそそります。
大満足の一杯でした。無料駐車場も近くにあり、アクセスも◎。
●味の大王 室蘭本店
●駐車場
室蘭の街を少しだけお散歩
室蘭名物のカレーラーメンでお腹を満たしたあとは、車を駐車場に置いて、室蘭の市街地を少しだけ歩いてみることにしました。
北海道内でもあまり訪れる機会が少ないこの町ですが、「室蘭ナンバー」や「室蘭本線」といった名前は耳にする機会も多く、地名としての存在感はしっかりあります。今回の旅では「絶景の町」として注目していましたが、実はもうひとつ気になっていたのが“街そのものの姿”でした。
やってきたのは、JR室蘭駅へと続く「中央通商店街」。アーケードの屋根に覆われたその通りには、かつての賑わいを思わせる縦横に広がっています。
かつては新日鐵(現・日本製鉄)や日本製鋼所などを中心に発展した“鉄の町”室蘭。最盛期の人口は18万人を超え、北海道内で最も人口密度の高い都市だったそうです。しかし、産業の合理化と近隣都市への人口流出が進み、現在では10万人を下回る規模に。
その影響を色濃く感じさせるのが、この商店街。昭和の雰囲気がそのまま残る建物が立ち並び、人通りもまばら。どこか寂しさを感じさせつつも、ノスタルジックな雰囲気に旅人の心は静かに揺さぶられます。
アーケードを抜けると、ほどなくして室蘭駅が見えてきました。
歩くこと10分ほどでJR室蘭駅に到着。こちらは一転して近代的な建物で、1面2線の頭端式ホームを持つ地上駅。ローカル線ながら、1時間に1本程度の列車が行き交う、なかなかの利用状況です。
ちなみに今回は時間の都合で立ち寄れませんでしたが、駅から少し歩いた先には、旧室蘭駅舎を利用した資料館もあるそう。蒸気機関車や歴史的資料の展示があり、鉄道ファンや郷土史に興味のある方にはおすすめのスポットです。
短い時間でしたが、室蘭という町の過去と現在を静かに感じられる、印象深い町歩きとなりました。
さて、お次はこの旅のもう一つの大きな目的地へ。
向かうのは、アイヌ文化の復興と発信の拠点「ウポポイ(民族共生象徴空間)」です!

PM1:40――室蘭から約1時間、国道を北へ。白老町のポロト湖畔に広がる「ウポポイ」に到着しました。
アイヌ文化の交差点・ウポポイで過ごす午後
2020年(令和2年)に開業したウポポイは、国内初の国立アイヌ民族博物館を中心としたナショナルセンター。「ウポポイ」とはアイヌ語で「(大勢で)歌う」という意味で、正式には「ウポポイ(民族共生象徴空間)」と呼ばれています。アイヌ語での正式名称は「ウポポイ ウアイヌコㇿ コタン」。
敷地内には、博物館や体験型施設、伝統的家屋が建ち並ぶ再現集落、そして慰霊施設などが整備されており、アイヌ民族の歴史や文化、生活に触れることができる総合的な文化施設となっています。
到着した時刻はちょうど午後のプログラムがひと段落したタイミング。14時からは入館料が半額になるサービスがあると聞き、少しだけ時間調整を兼ねてエントランス付近のカフェでひと休み。
通常1,200円の入館料が600円に。お得な気分でいよいよ園内へ入場します。
最初に向かったのは「ウエカリ チセ(体験交流ホール)」。ここでは、アイヌの歴史や文化を紹介する30分ほどのシアタープログラムが上映されており、視覚的にも分かりやすく学ぶことができます。
園内は広大で、どこへ行くか迷ってしまうほど。事前に配布されるタイムテーブルを活用して、効率よく回るのが良さそうです。
次に訪れたのは、メイン施設とも言える「アヌココㇿ アイヌ イコロマケンル(国立アイヌ民族博物館)」。
こちらではアイヌ民族の生活文化、歴史、言語、宗教観など多岐にわたる展示が整備されており、静かにじっくりと見学。
撮影NGのエリアも多く、写真はありませんが、その分しっかりと目と心に焼き付けました。
最後に訪れたのは園内奥にある「テエタ カネ アン コタン(伝統的コタン)」。チセ(かやぶき家屋)を忠実に再現したこのエリアでは、実際の居住空間を歩きながら、アイヌの人々の暮らしや道具、風習に触れることができます。タイミングによってはスタッフによる解説や体験プログラムもあるとのこと。
園内を結ぶ小さな周回バスも可愛らしく、移動にも便利です。
PM4:20――約2時間半にわたるウポポイ滞在は、あいにくの雨により屋内中心の散策とはなりましたが、想像以上に充実した時間を過ごすことができました。
唯一心残りだったのは、体感型プログラム(歌や踊りの実演)に参加できなかったこと。次回はぜひその時間に合わせて訪れてみたいと思います。
さて、空はさらに灰色を濃くし、雨脚も強まってきました。ここからは一路、札幌へと戻ることにしましょう。
ここからは、いよいよ本日の最終目的地・札幌へと向かいます!

道中は下道を選択し、距離にして約90kmのロングドライブ。
通勤時間帯とも重なり、渋滞にも少々巻き込まれつつ──
札幌市内のレンタカー営業所に到着したのは午後7時を回っていました。いやはや、今日は本当に走った……!
PM7:40 無事レンタカーを返却し、まずは大荷物を札幌駅のコインロッカーに預けて一息。
夜の札幌で、ひとまず乾杯
ようやく身軽になったところで、遅めの夕食を求めて札幌駅周辺をうろうろ。
このエリアはどこも混雑しているのはわかっていたので、混雑を避けるべく地下街・アピアへ。
そこで目に入ったのが、「飲み放題1180円」のキャッチが光る居酒屋「山の猿」。
少々の待ち時間はありましたが、幸い5分ほどで店内へ案内されました。
ややコンパクトな店内ながらも雰囲気は賑やかで、なにより魅力は飲み放題。もちろん迷わずこれをオーダー!





そして飲み放題にぴったりなアテをいくつかチョイス。どれも新鮮でおいしく、ほろ酔い気分で旅の疲れもじんわりと癒されていきます🍶

満腹&満足の夜。こうして札幌初日の夜はふけてゆくのでした──
次回<札幌駅周辺観光>に続く
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