今回の旅は尾瀬国立公園を福島県側から群馬県側まで通り抜ける、尾瀬トレッキング22㎞の旅です。
<令和5年9月18日~9月20日の旅記録です>
昨晩関西から夜行バスと鉄道路線バスを乗り継いで、福島県側の尾瀬登山口「沼山峠バス停」までたどり着きました。

時刻はすでに午後2時半です。まず、休憩所があるので支度を整えてから出発することにいたしましょう。



沼山峠登山口には簡易的な小屋とトイレがあり、小屋内にはベンチと、尾瀬に関する情報や書籍が置いてあり、余裕があれば足を停めてゆっくりするのも良いかもしれません。
私は天候と時間が気になり手早く準備し出発することにいたしました。
◆PM2:45 沼山峠出発

本日は、この時間ですから3.3㎞の距離を歩き尾瀬沼を目指します。まずはウォーミングアップと言ったところです。
では出発いたしましょう!
いきなり長い登りが続きます。日頃運動しないアラフィフおじさんにはいきなりきつい試練です💦
約15分ほど登り階段を進むと段々となだらかな木道に変わってきました。
「ダケカンバ(岳樺)」と呼ばれる木々がたくさん生えています。「白樺」の仲間で、白樺が群生する標高よりも高い場所に生える樹木だそうです。これが低山登山とは雰囲気が全く違って新鮮です。
15分ほど登りは続きその後下り道になってきました。いやぁ最初の登りは地獄でしたがそれを超えるとペースは弾みます。
◆PM3:05 沼山峠展望台に到着
出発して1km弱でしょうか。再び緩やかな登り坂を進んで、ベンチと少し広いスペースがありましたので少々休憩です。
雨が心配でしたが、雲の状態が先ほどより明るくなってきたので一安心。という事で少しザックを降ろして、休憩がてら虫よけ対策をします。先ほどから足元や腕が虫にやられ出しました🐜
虫よけ対策をしながら、展望台という事なので景色を見渡します。

沼山峠展望台という事なので標高が最も高い場所だと思いますが、見晴らしはさほど良くありません。
一休みして再出発です。
さて、再び1㎞弱ほどの下りを歩きます。沼山峠登山口からは、前半約1/3が登りで後は下りと平坦な道のりです。なのでそれほど疲れなく行けそうですね。
出発して40分、木々の間が開けてきました。山道はもうそろそろ終わりそうです。
獣除けのゲートを通り抜けると、広大な湿原地帯に風景が一転いたします。
◆PM3:25 大江湿原
ここは大江湿原と言う場所で、尾瀬沼の最上流にあたります。また、只見川の一方の最上流に位置する湿原でもあり、湿原の中を通る木道の横に小さな大江川が流れています。尾瀬では明日訪れる尾瀬ヶ原に次ぐ大きさを誇ります。
有名な尾瀬ヶ原より登山客も少なく、静かなハイキングを楽しむにはお勧めエリアです。
少し先に小淵沢田代と呼ばれる標高の高い池塘・湿原への分かれ道があり、さらに静かで標高の高いエリアへ行くこともできます。
時折、紫の綺麗な花が目につき、植物アプリで調べてみると、猛毒のオゼトリカブトです。そのほか綿毛になったミヤマアキノキリンソウなどがたくさん生えていました。
さて、段々と尾瀬沼が近づくにつれ独特の心地よい雰囲気になってまいりました。尾瀬沼の淵に3本のカラマツが並び、これまた尾瀬の風物詩ですね。
ここまでくると本日のゴール目前です。
再び分岐点に到達。
ここから尾瀬沼の北側を進んで行くルートは明日訪れるルートになります。本日はそのまままっすぐ尾瀬沼畔の山小屋エリアへ向かいます。
今歩いている沼山峠から尾瀬沼へ抜けるこの木道ですが、なんと福島県道及び群馬県道1号線です。見ての通り自動車、2輪車、自転車通行禁止、歩行者のみが通行可能な木道となっています。なお県道一号線は尾瀬沼から三瓶峠を経て一ノ瀬、大清水登山口へつながっています。
その県道1号線の名残は、昭和の時代、道路を整備し車が通行できるようにする計画があったようですが、それを阻止した方が平野長靖と言う方で、尾瀬を切り開いて山小屋を作った平野長蔵さん孫にあたる方です。これから訪れる尾瀬沼にその長蔵小屋と言う山小屋があります。
◆PM3:50 尾瀬沼到着
沼山峠から1時間弱、目的地の尾瀬沼に到着しました。
途中から心配していた雨雲の雲行きが少し遠ざかり、雨の心配はなさそうになって来ましたので比較的ゆっくりと写真撮影や景色を堪能しながら歩いてまいりました。
◆PM4:20 山小屋ステイ(尾瀬沼ヒュッテ)
さて、山小屋のチェックインは早く、だいたい午後1時からできます。そして午後4時頃までに入ることが望ましいとの事です。山の夜は早いのです。


今回宿泊する山小屋は尾瀬沼ヒュッテでございます。
尾瀬沼ヒュッテは尾瀬沼の山小屋エリアの一番奥側(大清水ルート側)にあり少し坂を登ったところにあります。



ヒュッテ内はフロントがあり、すでにストーブも用意されています。小さな売店が食堂の横にありここでビールも購入できます。
チェックインを済ませ、一先ず部屋へ行きザックを降ろして、まずはお風呂へ直行。
汗を流しに行きましょう。




山小屋では、環境保護の観点より石鹸などの利用を禁止されていますが、コロナ以降は専用のシャンプーボデーソープが備え付けらておりました。
尾瀬の豊富な湧き水の熱いお風呂は超絶気持ちいいです♨
さあ暗くならないうちに夜ご飯の用意です。今回は素泊まり(7500円)なので食料を持参してきております。

早速、ビールを注文し一口頂いて夕食準備です🍺
用意してきたのは、サトウのご飯とレトルトの北海道ステーキ、お味噌汁です。
この日は外で夕食をとられている方は私のほかもう一組いらっしゃいましたが、小雨が降りだしたり止んだりして、忙しない状況です。
ジェットボイルに湯煎袋へ移したサトウのご飯をまず湯煎し、そのあとステーキレトルト湯煎。そしてご飯に乗っけて食べるというお手軽ステーキ丼です。
残ったお湯でお味噌汁を作る。
ちょっと見栄えは悪いですが、食器類も洗剤で洗えないので、できる限りスマートに片づけできる方法という事でこういう感じで落ち着きました。
見栄えは悪いですが味はバッチシ美味い!
この後ビールお代わりし、徐々に暗くなる山の雰囲気を味わいながら時は過ぎます。

時刻は午後6時半を超え、汗で濡れた衣類タオルなどを乾かしに乾燥部屋へ干しに向かいます。

シューズ置き場と乾燥室が一緒になっており、ストーブで乾燥します。
山の夜は早いですなぁ。日が落ちて真っ暗になるとやることがなくなります🌌

今回はこの様なカプセルタイプのお部屋です。山小屋と言えば和室に雑魚寝と言うイメージですが、尾瀬では殆どの山小屋に個室が完備されています。
一人の場合はこの様なカプセルや2段ベッドの山小屋が多いようですが、2人以上だとほぼ全ての山小屋で個室に案内されるようです。

室内はこの様な感じ。清潔感がありプライベート感もしっかりありますね。コンセントもありました。
ザックなどの大荷物は、奥にダイヤル式のロッカーが無料で利用できますので安心です。
携帯電波はauに関しては山小屋付近で難なく利用できました。
さて夜8時半を超えると、結構何もすることがなくなりいつの間にか眠りについていましたzzz
◆翌朝AM5:50 早朝の尾瀬沼を散歩
よく爆睡し、目が覚めると朝5時です。まだ外は薄暗くもうしばらくうとうとし、朝の散歩に出かけることにしました。
尾瀬沼畔を少し歩いてみました。山小屋泊は早朝の景色を楽しむことが醍醐味です。
朝陽が昇ると、太陽の光を浴びた地面から立ち上がる霧。おそらく湿地帯なので地面の水蒸気が立ち上り徐々に濃くなった霧は次第にその姿を変え、雲海のような幻想的な景色が目の前に広がります。
沼の向こうには、標高2,356 m北海道を含む東北地方以北の最高峰である、燧ケ岳をきれいに望むことが出来ました。




しばらく近くを散歩してみますと、長蔵小屋の無料休憩所がありました。
尾瀬沼エリア周辺は、3つの山小屋とビジターセンター、それから売店、無料休憩所、トイレがあります。
尾瀬の自然を守りながら尾瀬に最初に山小屋を立てた平野長蔵さんの山小屋もあり、歴史深さを感じます。
ヒュッテに戻りロビー横にあるコーヒーを頂くことにいたしました。100円で頂くことが出来ます。
部屋へ持ち帰り、コーヒーと用意してきた菓子パンで簡単な朝ご飯を済ませます。
窓の外には森が広がり、キャンプ場もあるようです。テント泊の方々も撤収準備に忙しそうな様子が伺えました。
◆翌朝AM7:40 尾瀬沼出発
さてさて、ゆっくりした朝を迎え、いよいよトレッキング2日目出発です!

本日2日目は今回の旅のメイン行程です。トレッキング距離15㎞を歩きます。行程は尾瀬沼を出発し、沼尻から白砂峠を経て見晴でランチタイム。尾瀬ヶ原を進んで山の鼻まで向かいます。
時間はたっぷりあるのでゆっくり行きましょう。

山小屋の売店の開店も早い!尾瀬のお土産物をちょっと見ながら、少し立ち寄って出発いたします。

大江湿原を北へ曲がり、気持ち良い高原ハイキング2日目が始まります!
次回へ続く尾瀬トレッキング尾瀬沼→見晴→山の鼻
































