小倉から別府へ、九州ドライブスタート
<阪九フェリーで九州旅>前回までの記事はこちら
今回の記事では、全国でもトップクラスに好きな観光地・別府を舞台に、ツウ好みの温泉と散策コースをご紹介していきます。
王道だけじゃない、ちょっとディープな別府の魅力をお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです^^
AM8:00、小倉駅に到着。
ここからはレンタカーを借りて別府へ向かいます。
駅北側すぐの場所にあるトヨタレンタカーで車をピックアップ。手続きもスムーズで、いよいよ九州ドライブの始まりです。
Google Mapで確認すると、ここから別府まで約110km、所要時間は約1時間40分。実際は休憩や運転交代も考えると、およそ2時間と見ておけば安心でしょう。
ちなみに別府は、私にとって“推し観光地”。
気に入りすぎて年2回訪れた年もあるほどで、今回でなんと6回目。
その素晴らしさをぜひ嫁さんにも体感してもらいたく、今年もまた別府へやってきました。
北九州都市高速1号線から九州自動車道、東九州自動車道へ。途中サービスエリアで小休止を挟みながら、AM10:00、別府湾ICへ到着。
ICの標高は約400m。
大平山の野焼きの影響で木々の少ない山肌が広がり、視界が一気に開けます。東には山並み、西には別府湾と市街地。
「ああ今年も、帰ってきたなぁ」
そんな気持ちになる絶景です。
十文字原展望台|別府を一望する天空のパノラマ
最初の目的地は、別府湾ICからほど近い十文字原展望台。
標高約500m、十文字原高原に位置するこの展望台からは、別府湾と市街地が真正面に広がります。左手には国東半島、右手には猿で有名な高崎山、さらにその先には佐賀関方面まで見渡せます。
遠くにうっすらと見える陸地は、おそらく四国。
スケールの大きなパノラマビューに、思わず深呼吸。
ちなみにここは夜景も名高く、「日本夜景遺産」「日本夜景百選」に選ばれている名所。昼も良いですが、夜はさらにロマンチックな表情を見せてくれます。
硫黄の香りに包まれる明礬エリアへ
展望台から扇状地を下り、次に向かうのは明礬地獄。
別府八湯のひとつ、最も標高の高い場所にある明礬温泉の源泉地です。十文字展望台から約3.5km、車で5分ほど。
到着すると、平日午前にも関わらず駐車場はなかなかの入り。
車を降りた瞬間、硫黄の匂いがふわり。
モクモクと立ち上る湯けむり。
あちこちから噴き上がる蒸気。
その光景は、どこか恐山を思わせるような迫力です。
そして明礬地区の象徴ともいえる茅葺き小屋。
これは江戸時代から続く湯の花の採取小屋で、今もこの地に点在しています。
山側には明礬地獄の源泉。pH3以下の強酸性泉で、皮膚病や神経症などに効能があるとされ、湯治場としても知られています。
岡本屋売店|地獄蒸しプリンを求めて
明礬地獄のすぐそばにあるのが、老舗旅館が営む岡本屋売店。
1875年創業、150年近い歴史を持つ岡本屋が運営する人気スポットです。
今回のお目当てはもちろん——地獄蒸しプリン。
店内はすでに満席寸前。
運よく、私たちでちょうど満席という絶妙なタイミング。
注文したのは、
・地獄蒸しプリン(440円)
・地獄蒸したまごサンド コーヒーセット(990円)
まずはたまごサンドから。
想像以上のボリューム。濃厚な卵に、分厚いきゅうりの食感がアクセント。4つ入りで、3つ目に差し掛かる頃にはお腹がしっかり満たされます。
そしてメインのプリン。
濃厚でコクがありつつ、どこか懐かしい味わい。
「高級な昭和の味」と思わせる幸福感。今回ようやく頂くことができました。
鉱泥温泉|泥湯の沼にハマる
続いて山道をくねくね下ること約5分。
到着したのは鉱泥温泉。
本坊主地獄の隣にある、泥湯が名物の日帰り温泉施設です。
前々回訪問時に衝撃を受け、「これは嫁はんにも体験してほしい」と今回の目的地に組み込みました。
<過去別府輪行旅で鉱泥温泉に訪れた記事はこちら🚲️>
山道を下ってくるとすぐに見えてくる鉱泥温泉。今年もやってきました。入口は坂を少し上がった先にあります。
入浴料は900円。
営業時間は朝8時〜12時までの4時間のみ。泥湯は清掃にとても手間がかかるため、営業はこの短時間だけなのだとか。
ここの入浴方法は、少し独特です。
- まず単純泉で体を洗う
- 奥の泥湯へ入る
- 汗が出たら単純泉で流す
- これを3回ほど繰り返す
温泉成分がかなり濃いため、無理をしないのがコツ。
また泥の粒子が細かいため、顔や目に入らないよう注意するのもポイントです。
湯上がり、私よりも長風呂だった嫁はん。
結果——大満足。
常連さんに入り方を教えてもらい、しっかり泥湯を堪能していました。
「知らんかったら手前の湯で終わってたわ」
と笑いながら、約30分でしっかり整った様子。
別府の泥湯といえば 別府温泉保養ランド も有名ですが、ここ鉱泥温泉は観光地の中心から少し離れていることもあり、比較的ゆったり入れるのも魅力。
のんびり泥湯を楽しみたい方には、おすすめの温泉です。
本坊主地獄|静かに湧き続ける歴史
さて、そして隣にある本坊主地獄(天然坊主地獄)も見学。
別府地獄めぐりに含まれる鬼石坊主地獄とは別の存在で、観光客は比較的少なめ。
しかし歴史はむしろこちらが古く、1959年に大分県の天然記念物に指定。約500年前、1498年の日向灘地震によって境内が爆発し、地面から熱泥が噴き出したのが始まりと伝えられています。
園内では「ポコッ、ポコッ」と泥が湧き上がる様子を間近で見ることができます。
庭園のように整備された敷地のあちこちに噴気地があり、静かで落ち着いた雰囲気。
派手さはありませんが、じっくり見ていると不思議と心が落ち着く場所です。
鉄輪温泉へ、別府鉄輪地獄温泉ミュージアム|温泉を“学ぶ”体験
AM12:00。
泥湯でしっかり整い、体はぽかぽか。良い散歩日和です。
続いて向かうのは鉄輪温泉の中心部。
鬼山地獄の無料駐車場に車を停め、ここからは歩いて散策します。
みゆき坂を少し下ると見えてきました——
別府鉄輪地獄温泉ミュージアム。
ここは、かつて金龍地獄があった跡地に2022年12月オープンした体験型ミュージアム。
入館料は1,500円。
正直、少し高めかな?と思いつつ、前回来た時にはなかった施設なので興味本位で入場してみることに。
入場は時間指定制。次の回まで約30分あったので、カフェやショップをのぞきながら待機。
この回の入場はなんと我々夫婦のみ。ほぼ貸切状態です。
館内は4つのセクションに分かれ、温泉が生まれる仕組みや、なぜ“地獄”と呼ばれる場所が人々の暮らしと共存してきたのかを、映像とプロジェクションマッピングで学べます。
コンセプトは、「自分が温泉の分子となり、50年の歳月をかけて地中を巡る旅を体験する」というもの。
迷路のような空間を進み、クイズに答えながら温泉のメカニズムを理解していきます。
科学的な説明も丁寧で、泉質の違いや成分分析までしっかり学べる構成。
個人的にはかなり面白い内容でした。
最後には“温泉染”のアトリエ見学。
天然染料を温泉で媒染することで、温泉の成分やpH値によって色味が変化するという仕組み。
地熱エネルギーだけで染色が完結する点も魅力です。
内容は満足。ただ、やはり料金はやや強気かな、というのが正直な感想です。
鉄輪むし湯|石菖の香りに包まれる蒸しの世界
次は鉄輪温泉の中心へ。
いでゆ坂を進み、辿り着いたのは鉄輪むし湯。
ここは私にとってお気に入りの温泉で、今回で3度目の訪問です。
鉄輪温泉は鎌倉時代、建治2年(1276年)に一遍上人によって開かれた歴史ある温泉地。むし湯のそばには一遍上人の木像も安置されています。
入浴料は700円、レンタル浴衣220円。
専用浴衣に着替え、いざ蒸しの世界へ。

1メートル四方の木戸をくぐると、約8畳ほどの石室。
床には「石菖(せきしょう)」という薬草が敷き詰められ、その上に横たわります。
この石菖の香りが実に素晴らしい。
詩人・野口雨情が
「豊後鉄輪、むし湯の帰り、肌に石菖の香が残る」
と詠んだほど。
約8分蒸され、さらに2分延長。
大量の汗が噴き出し、外へ出た瞬間——
「うひょ~整った~\(^o^)/」
これは本当に気持ちいい。
サウナとも違う、薬草の力を感じる蒸し体験。大満足です。
湯けむりの路地裏散策
時刻はPM2:30。
時間が経つのはあっという間。
本当はレトロ遊園地のラクテンチにも行きたかったのですが、時間の関係で今回は断念。次回の楽しみに取っておきます。
駐車場へ戻る途中、鉄輪の町をゆっくり散策。
いでゆ坂から谷の湯通りへ入ると、視界を遮るほどの湯けむり。
配管が複雑に絡み合い、湯の花がこびりつき、蒸気が勢いよく噴き出す様子は、まるで映画のワンシーン。
この装置は温泉井戸から噴き出す蒸気と熱水を分離する“気液分離装置”。
100℃近い温泉を適温に調整し、配湯するための重要な設備です。
湯けむり景観そのものが、別府の文化。
さらに進むと、ひょうたん温泉の竹製冷却装置「湯雨竹」が現れます。
そして共同浴場「谷の湯」。レトロな佇まいが実に良い。
その先で、思わず二度見する建物。
民家の2階に巨大な穴。
実はこれ、現代アートチーム目[mé]の作品《space Ⅱ》。
説明もなく突然現れるのがまた面白い。
温泉地の生活とアートが自然に混ざり合う、不思議な町並みです。
別府の夜へ向けて
細い路地を少し迷いながら、いでゆ坂へ戻ります。
湯上がりの体に心地よい散歩。
気づけばPM3:00。
そろそろ本日のお宿へ向かう時間です。
次回は——
ディープな別府の夜へ。
温泉だけでは終わらない、別府の奥深い表情をご紹介します。
続き>>ディープな別府の夜を満喫



































































