今回の旅は、お盆休みを利用した夫婦ふたりの山陰旅行。
目的地は、鳥取県中部の城下町・倉吉です。
昨日は倉吉駅からタクシーで10分少々、はわい温泉へ移動して温泉宿を満喫しました。
そして旅の2日目は、いよいよ倉吉の町歩き。
白壁土蔵が美しい町並みをゆっくり散策しながら、歴史ある街並みや倉吉ならではのグルメを楽しんでいきたいと思います。
第1話はこちらからどうぞ。<はわい温泉に宿泊>
それでは、倉吉散策へ出発です!
倉吉観光は、まず路線バスから
AM10:00。
宿をチェックアウトし、タクシーで倉吉駅へ戻ってきました。
まずは駅のコインロッカーに荷物を預け、身軽になったところでいよいよ倉吉の町歩きがスタートです。
ここ倉吉駅は山陰本線の主要駅で、特急列車も停車する鳥取県中部の玄関口。 …なのですが、実は倉吉を代表する観光スポット「白壁土蔵群」は駅前すぐにあるわけではありません。
駅からの位置関係としては、市街地を南西方向へ少し進んだエリアが観光の中心地となります。

そこで活躍するのが路線バス。 倉吉では、駅から観光エリアをつなぐ大切な移動手段(二次交通)になっています。
バスに乗って倉吉駅から白壁土蔵群へ
倉吉駅前のバスターミナルへ向かうと、運行しているのは「日本交通」と「日ノ丸バス」の2社。 どちらのバスも、白壁土蔵群方面へ向かう便は2番乗り場から発車します。
本数を確認してみると、おおむね5〜10分間隔で運行されている時間帯もあり、思っていた以上に便利! 細かい路線名を覚えていなくても、とりあえず「2番乗り場」へ行けばOKという明快さも、旅先ではありがたいポイントです。
今回は、AM 10:25発の日ノ丸バスに乗車して向かうことにしました。
バスに乗り込んで路線図を眺めていると、このバスは、途中で鳥取県立美術館前を通るようです。
実は今回、美術館へ行く予定はなかったのですが、
「せっかくなので、ちょっと寄ってみよう」
ということで最初の目的地が決まりました。
こういう予定外の寄り道が、旅では案外楽しかったりするんですよね。
開館したばかりの鳥取県立美術館へ
予定外の寄り道が、思わぬ出会いに
倉吉駅から約10分。
鳥取県立美術館に到着しました。
2025年3月30日に開館したばかりの、まだまだ新しい美術館です。
真新しい建物を目の前にすると、それだけでもちょっとワクワクします。
館内では常設のコレクション展に加え、企画展も開催されていました。
この時期(2026年7月11日~8月30日)に開催されていたのが、漫画家・谷口ジローを取り上げた企画展「マンガを拓く 谷口ジロー」。

これは……ちょっと興味をそそられます。
というのも、谷口ジローさんは鳥取県出身の漫画家。
代表作の一つ「孤独のグルメ」は、漫画をあまり読まない人でも名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
そして、その作品の一つ『遥かな町へ』は、まさに倉吉を舞台にした物語。
さらに、この作品が2026年秋に映画化されることも、ここで初めて知りました。
これは見ておかなければ!
ということで、予定外ではありますが入館です。
企画展示にエリアにはこれまで発表されてきた谷口ジロー作品の数々がずらり。
原画や資料を実際に目の前で見ると、普段漫画を読むのとはまた違った印象があります。
ハードボイルドや山岳・動物ものから、日常の散歩を描いた作品まで。
幅広いジャンルを写実的な画力と詩情豊かな視点で描き出す谷口ジローさん。その独特の世界観は国内外で高く評価されています。
『遥かな町へ』に描かれた倉吉
今回、やはり特に見入ってしまったのが『遥かな町へ』。
印象的なのは、登場人物だけではありません。
人物が暮らす「町」や、何気ない日常の風景まで、とても丁寧に描かれています。
古い建物や路地、町並みの雰囲気まで細かく描写されているので、
「この風景、実際の倉吉のどこなんだろう?」
そんなことが気になってきます。
そう思いながら作品を見ていると、この後の倉吉の町歩きが俄然楽しみになってきました。
また、過去から現在までの漫画家や漫画史を紹介する展示も非常に興味深く、思わず見入ってしまいます。
そして個人的に嬉しかったのが、展示作品の多くを写真撮影できたこと。
美術館というと「撮影禁止」というイメージがありますが、今回は撮影可能な作品が多く、気になった作品をカメラに収めながらじっくり楽しむことができました。
もちろん谷口ジロー展だけではありません。
せっかくなので常設のコレクション展も見て回り、開館したばかりの美術館そのものの雰囲気も楽しみます。
……と、ちょっと寄り道のつもりだったのですが。
気が付けば、なんと2時間近くも滞在していました(笑)。
予定外の訪問でしたが、これが思いのほか充実した時間になりました。
そして何より、じっくり原作を読み進めたことで、頭の中には谷口ジローが描いた倉吉の町並みがすっかり広がっています。
果たして、実際の倉吉の風景は、漫画の中で感じたあの町の雰囲気とどんなふうに重なるのだろう?
そんなことを想像すると、この後の町歩きがますます楽しみになってきました。
漫画の中で思い描いた倉吉の風景と、実際に目の前に広がる町並み。
その違いや共通する雰囲気を感じながら歩いてみるのも、今回の倉吉散策の楽しみの一つです。
さあ、ここからは予定通り倉吉の町並みへ。
美術館のすぐ横から、今度は歩いて向かってみることにします。
なしっこ館で、まずは梨ソフト!
鳥取県立美術館を後にして、倉吉パークスクエア内を歩いていきます。
公園内の遊歩道をのんびり進んでいると、前方に大きなガラス張りの特徴的な建物が見えてきました。
「ん?あれは何だ?」
近づいてみると、ここが**鳥取二十世紀梨記念館「なしっこ館」**です。
ここは、日本で唯一の梨をテーマにした博物館。
鳥取県を代表する果物「二十世紀梨」を中心に、梨の歴史や栽培方法、品種、梨にまつわる文化などを楽しく学べる施設です。
館内には二十世紀梨の巨木や梨園を再現した展示などもあるそう。
せっかくここまで来たのだから、じっくり見てみたいところですが……
今回は美術館で思いのほか時間を使ってしまいました(笑)。
ということで、今回はちょっとだけ寄り道。
1階のフルーツパーラーで、名物の**「二十世紀梨ソフトクリーム」**をいただくことにします。
こちらのソフトクリームには、二十世紀梨のブランド産地として知られる東郷産の二十世紀梨をピューレにして使用しているとのこと。
爽やかさとまろやかなバニラの甘さが絶妙!
暑い中の町歩きの一息にまさにぴったりです♪
さて、英気を養ったところで再出発です。
ここから倉吉の町並みを目指して、ぶらぶら歩いていきます。
白壁土蔵群へ、倉吉らしい風景が見えてきた
徐々に変わっていく町の表情

しばらく歩いていると、川というよりは細い水路のような流れと交わりました。
そして、そのあたりからでしょうか。
街の雰囲気が少しずつ変わってきます。
新しい建物から、古い町家や白壁の建物へ。
道を進むにつれて、なんとも風情のある町並みが現れてきました。
すると……
先ほど鳥取県立美術館の谷口ジロー展で見た、あの風景が目の前に広がってきました。
倉吉白壁土蔵群を歩く
ここが、倉吉を代表する観光スポット倉吉白壁土蔵群です。
玉川沿いに白壁の土蔵や赤瓦の町家が並ぶ、倉吉の歴史的な町並み。

江戸時代から昭和初期にかけて商業の中心地として栄えた地域で、現在も当時の建物が数多く残されています。
特に白い漆喰壁と赤い石州瓦の組み合わせが特徴的で、倉吉らしい景観をつくっています。
これまでにも何度か倉吉を訪れたことがあります。
ただ、その時はいずれも「ちょっと立ち寄ってみる」という程度。
今回のように時間をかけて、じっくり町を歩くのは初めてです。
しかも今回は谷口ジロー展で倉吉の町並みをたっぷり見てきたばかり。
これは楽しみです。
……と、その前に。
今日は倉吉で食べてみたいものがあります。
倉吉名物「もちしゃぶ」をいただきます!
町家で味わう、彩り豊かな十二種類の餅
というわけで、今回の倉吉グルメ。
事前に予約しておいたお店が、こちら。
町屋 清水庵です。
お目当ては、倉吉の名物料理として知られる「もちしゃぶ」。
店内に入ると、お客さんで賑わう1階の食事スペースは満席で、予約を入れた際に取れたのも午後1時を過ぎてからでした。
やっぱり人気のお店なんですね。
その賑わう店内を通り抜け、靴を脱いでさらに奥へ。
すると、昔ながらの町家らしい空間が広がっています。
まるで田舎の古民家に遊びに来たような、どこか懐かしい雰囲気。
縁側のような細い廊下を奥へと進んでいくと、その先にはなかなか急な階段。
「おっと、これはちょっと気をつけないと(笑)」
そんな階段を上がり、案内されたのは2階の大広間です。
畳敷きの広間には、団体のお客さんも食事を楽しまれていました。
町家の1階から、縁側のような廊下を進み、急な階段を上がって2階へ。
食事が始まる前から、なんだか昔の倉吉へタイムスリップしたような気分です。
これはいい雰囲気♪
ただ……
この日は真夏。
空調だけでは間に合わないのか、あちらこちらでミニ扇風機がフル稼働しています。
「たしかに……この暑さの中で、これから鍋かぁ(笑)」
ということで、まずはビールで乾杯!
キンキンに冷えたビールが、暑さで渇いた喉に効きます!
さあ、冷たいビールでひと息ついたところで、いよいよ今回のお目当て。
倉吉名物の登場です。
来ました!これがもちしゃぶ!!
見た目がカラフルです!
人参、唐辛子、抹茶、トウモロコシ、明太子、よもぎ、かぼちゃ、小エビ、黒ゴマ、柚子、ブルーベリー、栃の実。
なんと十二種類!
まるで「十二単」を思わせるような、色とりどりの餅が並んでいます。
さて……どれからいきましょか。
「もちしゃぶ」とは、その名の通り、薄くスライスした餅を鍋の出汁にくぐらせていただく料理。
清水庵では、十二種類もの色とりどりの餅を、しゃぶしゃぶのようにして楽しむことができます。
出汁の中に餅をくぐらせると、ほどよく柔らかくなって、とろ~り。
それぞれの素材の風味もしっかり感じられ、餅そのものの味わいもなかなか深い。
うまい!!
しかも、これが意外とビールに合う。
ただ……
真夏に鍋♨
当然ながら、食べれば食べるほど汗が出てきます(笑)。
そんな中、汗をかきながらいただく真夏のもちしゃぶ。
これもまたオツなものですな♪
ということで、倉吉らしい町家の雰囲気とともに、名物もちしゃぶをしっかり満喫。
お腹も満たされたところで、再び倉吉の町歩きへ出発です。
『遥かな町へ』の世界を歩いてみる
さて、まずは倉吉白壁土蔵群観光案内所へ。
すると、なんともレトロな建物が目に入ります。
「竹馬・サイダー・ラムネ」
そんな文字が書かれた、まるで昔ながらの駄菓子屋さんのような建物。
実はここが観光案内所なんです。
中では観光パンフレットをいただいたり、観光ガイドの受付をしたり、レンタサイクルを借りたりすることができます。
コインロッカーもあるので、荷物を持って町歩きをする人にも便利。
倉吉白壁土蔵群を初めて訪れるなら、まずここで町の全体像を把握しておくのも良さそうです。
パンフレットを手に入れて、いざ町歩きへ!
ここからは、先ほど美術館で見た『遥かな町へ』の描写と、実際の倉吉の町並みを照らし合わせながら歩いてみます。
「あっ、ここは見覚えがある!」
そんな場所が実際に目の前に現れると、普通の町歩きとはまた違った楽しさがあります。
作品の舞台となった場所や、描かれた風景を実際に見ながら歩いていると、倉吉の町が少し違って見えてきます。
美術館で原画を見てから、実際の町を歩く。
この順番だったのが、今回はとても良かった。
ただ観光地を歩いているだけではなく、
「この風景を、谷口ジロー自身も見ていたんだろうな」
そんな想像をしながら歩くことができます。
しばらく歩いていると、さすがに暑さで少し疲れてきました。
そんなところで、レトロなポストと倉吉の「打吹流しびなの像」が目に入ります。
細い水路には、ちょこちょこと石橋が架かり、その向こうには白壁土蔵群。
「これぞ倉吉!」という風景です。
……と、そんな風景を眺めながら、
「暑いし、ちょっと休憩しようか」
ということに。
すると、ここでちょうど良さそうなお店を発見!
ブリューラボ倉吉です。
倉吉のクラフトビールで、ちょっと休憩

店内に入ると、大きな地ビールの製造設備が目に入ります。
カウンター席があり、その奥にはテーブル席。
さらに庭もあり、店内にはどこか懐かしいレトロな雰囲気も漂っています。
これはいい感じ。
猛暑の倉吉町歩き。
ここで一息入れましょう!
私はゴールデンエール。
妻はペールエールを注文。


味わい深いクラフトビールの喉越しが、暑さに疲れた身体に染み渡ります。
これは効く~🍺
一杯いただいたところで、ちょっと元気も復活。
さあ、もう少し倉吉の町を楽しみましょう。
楽しい時間はあっという間に
さて、ここで時間を確認してみます。
PM3:00。
いやぁ……結構時間が経つのは早いものです。
美術館に約2時間、そして昼食を挟んで白壁土蔵群をぶらぶら。
まだまだ歩いていたいところですが、帰りの列車の時間もあります。
そろそろ倉吉駅へ戻るとしましょう。
帰りは、打吹回廊にもほど近い**「赤瓦・白壁土蔵」バス停**から乗車することにします。
バス停で少し待って、倉吉駅へ向かいます。
町歩きでたっぷり汗をかいた身体には、冷房の効いたバスがありがたい(笑)。
車窓を眺めながら、今日歩いた倉吉の町並みを思い返します。
倉吉駅から、再びスーパーはくとへ
PM3:40。
倉吉駅まで戻ってまいりました。
楽しかった倉吉散策も、ここで終了です。
列車の時間まで少し余裕があるので、駅に隣接する**「くらよし駅ヨコプラザ」**へ。
ここで帰りの列車のお供と、お土産を物色します。
旅の終盤になると、なぜかお土産選びも楽しくなるんですよね。
そして、いよいよ帰路へ。
ホームに入ってきたのは、もちろん特急スーパーはくと。
往路と同じく、今回もお世話になります。
ところが……
車内は満席!
特に鳥取から乗車するお客さんが多く、かなりの混雑です。
さらにデッキには、立席特急券で乗車されている方も。()
お盆休みということもありますが、この混雑ぶりを見ると、改めてスーパーはくとが鳥取と京阪神を結ぶ重要な交通手段であることを実感します。
鳥取から大阪・京都方面へ向かう人。
そして私たちのように、途中の倉吉から姫路方面へ帰る人。
多くの人を乗せて、スーパーはくとは山陰を後にします。
さて、そんな満席の車内でのお供はこちら。
「純米酒 強力」ワンカップ。
鳥取らしい一本を駅で仕入れてきました。
倉吉の町を歩いて、もちしゃぶを食べて、クラフトビールもいただいて。
最後は鳥取の地酒「強力」で締め。
これで姫路まで一瞬でしょう!

「宿を楽しむ旅」から「町を楽しむ旅」へ
今回のお盆休みは、夫婦ふたりで久しぶりの倉吉を満喫できました!
1日目は、あえて観光を詰め込まず、はわい温泉の宿で客室露天風呂と部屋食を存分に楽しむ「宿を楽しむ旅」。
そして2日目は倉吉の町へ繰り出し、予定になかった鳥取県立美術館への寄り道から、谷口ジローさんの『遥かな町へ』に出会い、実際の倉吉の町並みを歩いてみるという、思いがけない展開になりました。
白壁土蔵群を歩き、町家で「もちしゃぶ」をいただき、暑さに負けてクラフトビールでひと休み。
振り返ってみれば、予定を詰め込むよりも、その時その時の気分に任せて寄り道を楽しんだことが、今回の旅をより印象深いものにしてくれたように思います。
20年前、そして24年前にも訪れた倉吉を思い出しながら、今の倉吉を歩く。夫婦ふたりになった今だからこそ楽しめる旅を、ゆっくり味わうことができました。
そして今回の旅で出会った『遥かな町へ』は、2026年10月9日(金)から実写映画として全国順次公開されます。
今回実際に倉吉の町を歩き、漫画の中に描かれた風景と重ね合わせてみたからこそ、映画ではどんな「倉吉」がスクリーンに映し出されるのか、ぜひ観てみたいと思います。
旅の最後に、思いがけず映画まで楽しみがひとつ増えました。
それでは、また次の旅へ。


























































































