帯広を巡る旅の始まり
今回の北海道旅行は、北海道大学で開催される「北大祭2026」をきっかけに計画した、2泊3日の十勝・道東の旅です。
初日は札幌で北大祭を満喫し、その後は特急おおぞらで十勝の中心都市・帯広へ。夜は帯広名物の屋台村を巡り、十勝グルメを堪能します。
2日目はいよいよ今回の旅のメインイベント。レンタカーで上士幌町へ向かい、ひがし大雪の大自然にひっそりと佇む「幻の橋」タウシュベツ川橋梁を訪れます。その後は阿寒湖へ移動し、夜はアイヌ文化が息づくアイヌコタンを散策する予定です。
そして最終日は、阿寒湖クルージングや阿寒国際ツルセンターを巡りながら帯広へ戻り、十勝・道東ならではの雄大な自然と文化を満喫します。

今回は妻、母、姉、そして私の4人旅。いつもとは少し違うメンバーだからこそ、どんな旅になるのか出発前から楽しみでなりません。
第一話では、観光地としての北海道大学の魅力と北大祭2026、そして特急おおぞらで帯広へ向かう旅の一日をお届けします。
北海道大学はキャンパスそのものが観光スポット
北海道大学は、札幌駅から歩いて行ける距離にありながら、四季折々の自然や歴史的な建物を楽しめる観光スポットです。
昨年、息子が北海道大学へ進学したことをきっかけに訪れる機会が増えましたが、広大なキャンパスや四季折々の景色に魅了され、今では札幌を訪れた際にはぜひ立ち寄りたい場所の一つになっています。
せっかくなので、今回は観光という視点から北海道大学の魅力を簡単にご紹介します。

北海道大学は、1876年(明治9年)に創設された札幌農学校を前身とする、北海道を代表する国立大学です。初代教頭にはアメリカ人教育者クラーク博士が招かれ、「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」という言葉は、今も多くの人に親しまれています。
キャンパスは札幌駅北口から徒歩約7分という都心にありながら、その広さは約177ヘクタール。歴史ある建物と豊かな自然が調和し、「大学」というよりも一つの大きな公園のような空間が広がっています。
学生だけでなく観光客にも開放されており、キャンパス内を誰でもゆっくり散策できるのも北海道大学ならではの魅力です。

秋には黄金色に染まるイチョウ並木、大学のシンボルとして親しまれるポプラ並木、そして静かに流れるサクシュコトニ川など、四季折々の風景が楽しめるスポットが点在しています。
札幌駅から歩いてすぐとは思えないほど自然豊かな環境は、北海道らしいスケールの大きさを感じさせてくれます。
昨年は総合博物館や札幌農学校ゆかりの史跡も見学
昨年4月、北海道大学総合博物館や札幌農学校ゆかりの史跡も見学しました。
北海道大学総合博物館では、北海道の自然や歴史をはじめ、恐竜の化石や動植物の標本、大学の研究成果などが数多く展示されています。入館無料とは思えないほど内容が充実しており、時間を忘れて見入ってしまうほどでした。
キャンパス内には札幌農学校時代の歴史を伝える史跡も点在しており、北海道開拓の歩みや北海道大学の歴史に触れられるのも魅力です。
今回は北大祭が目的だったため立ち寄りませんでしたが、時間に余裕があれば、ぜひ博物館やキャンパス内をゆっくり散策してみてください。
大学という枠を超えた、札幌を代表する観光スポットとして、また北海道をじっくり観光するための拠点としても十分に楽しめる場所だと思います。
北大祭2026へ!学生たちの熱気に包まれるキャンパス
それでは、今回の旅の目的である「北大祭2026」へ向かいます。
北大祭は、北海道大学で毎年開催される最大規模の祭りで、約10万人が来場します。
会場の中心となるのは、北海道大学札幌キャンパスを南北に貫くメインストリート、通称「メンスト(メインストリート)」です。
普段は学生や教職員、自転車が行き交う北海道大学のメイン道路ですが、北大祭期間中はその景色が一変します。
約1.2kmにわたって続く道路の両側には学生たちの模擬店がずらりと並び、まるで一つの大きな商店街がお祭り会場になったような光景が広がります。そのスケールの大きさはさすが北大。歩き始めた瞬間から、お祭りの熱気に包まれました。
この日は3日間開催された北大祭2026の最終日。
それでもキャンパス内は学生や卒業生、地域の方々、観光客など多くの人で賑わい、どこを歩いても笑顔と活気にあふれています。
メンスト沿いには焼き鳥や焼きそば、スイーツなど数え切れないほどの模擬店が並び、歩いているだけでも香ばしい匂いに食欲をそそられます。
そんな中でも北大祭を代表する人気企画が、「IFF(インターナショナル・フード・フェスティバル)」です。
北海道大学には世界各国から多くの留学生が学んでおり、このIFFでは、それぞれの母国の家庭料理や郷土料理を味わうことができます。
会場に足を踏み入れると、飛び交う外国語やスパイスの香りに包まれ、まるで海外の屋台街を歩いているような気分。大学の学園祭でありながら、世界旅行をしているような雰囲気を味わえるのも北大祭ならではの魅力です。
今回は、パキスタン料理とインドネシア料理をいただきました。
香り豊かなサフランライスにスパイスが効いたチキン、そしてインドネシアを代表するナシゴレンとミーゴレン。
どれも本格的な味わいで、「学生が作る料理」というイメージを良い意味で裏切られる完成度でした。
これだけ美味しい料理が並ぶと、やはりビールが恋しくなります。
ところが北大祭では、キャンパス内でのアルコール類の販売や飲酒は禁止。そのため、この日だけは学内のセイコーマートでもアルコール飲料は販売されておらず、いつもは並んでいるお酒の棚も布で覆われていました。
少し残念な気持ちもありましたが、多くの来場者が安心して楽しめる学園祭を目指す運営の姿勢が感じられ、学生たちが協力しながらイベントを支えている様子がとても印象的でした。
気が付けば、北大祭を満喫した時間は約2時間半。
学生たちの活気と国際色豊かな雰囲気に触れ、北海道大学ならではの魅力を存分に感じることができました。
それでは名残惜しいですが、北大をあとにして札幌駅へ戻ります。
ここから、今回の旅の舞台となる十勝地方へ向かいます。
札幌駅で旅立ち前の一杯
時刻は12時50分。
北大祭の余韻に浸りながら札幌駅へ戻り、午後からはいよいよ十勝・帯広へ向かいます。
列車の発車まではまだ少し時間があるため、荷物を整理しながら駅構内を散策することにしました。
向かったのは、西コンコースにある北海道どさんこプラザ札幌店。
北海道各地の特産品が並ぶ人気ショップですが、店内には道産ワインやクラフトビールを気軽に楽しめる立ち飲みコーナーも併設されています。
せっかく北海道を旅しているのですから、列車に乗る前にまずは北海道の味を楽しむことにしました。
今回いただいたのは、十勝ワイン「翠嵐」、富良野ワイン「ミュラートゥルガウ」、そして道内産ぶどうを使用したスパークリングワイン「トラディショナルメソッド北海道」。
それぞれ個性は異なりますが、どれも爽やかな飲み口で、このあと始まる十勝の旅への期待をさらに膨らませてくれます。
昼間から味わう一杯は、旅だからこそ許される小さな贅沢。
ほろ酔い気分のまま、ホームへ向かいます。
特急おおぞらで十勝・帯広へ
PM1:40 札幌駅ホームへ。
北海道最大のターミナル・札幌駅には、旭川、函館、釧路、網走など道内各地へ向かう特急列車が次々と発着します。
ホームに立っているだけでも旅情を感じられ、「これから北海道を横断するんだ」という期待が自然と高まってきます。
今回乗車するのは、釧路行き特急おおぞら7号。
利用したのは、JR北海道のインターネット予約サービス「えきねっと」のトクだ値です。
今回は往路が35%引き、復路が25%引きとなり、4人分の旅費をかなり抑えることができました。
ただ、予約方法には少しコツがあるようで、4人まとめて検索すると割引が表示されなかったものの、1人ずつ予約すると全員分を割引価格で購入できました。
販売条件や空席状況によるものと思われますが、複数人で利用する場合は一度試してみる価値がありそうです。
近年のJR北海道では特急列車の自由席廃止や普通列車の減便が進み、以前より事前予約の重要性が高くなっています。
その一方で、「トクだ値」などの割引商品を活用すれば旅費を大きく節約できるのも事実。
北海道を鉄道で旅するなら、出発前に予約方法を調べておくことをおすすめします。
PM1:57 札幌駅を出発。
定刻どおり、特急おおぞら7号は静かに札幌駅を発車しました。
新札幌、南千歳に停車したあとは、次の停車駅はトマム。
約2時間20分の十勝への旅が始まります。
まずは札幌駅で購入した小樽ビールで乾杯。
おつまみは北海道らしく焼鮭チーズ。
車窓を眺めながら味わう一杯は、旅先だからこその贅沢な時間です。
札幌の街並みを抜けると、列車は千歳線から石勝線へ。
追分を過ぎる頃には民家も少なくなり、深い森と渓谷が広がる山岳地帯へ入っていきます。
この区間は北海道でも有数の秘境区間。
携帯電話の電波も約1時間ほど届きにくくなります。
最初は少し不便に感じましたが、スマートフォンを置いて窓の外へ目を向けると、次々と現れる北海道らしい雄大な自然に引き込まれていきました。
読書をしたり、景色を眺めたり。
こんな時間の過ごし方も、鉄道旅ならではの楽しみ方かもしれません。
札幌から約1時間。
トマム駅に停車すると、列車はいよいよ北海道の背骨・日高山脈を越えていきます。
途中には、北海道の在来線で最長となる新登川トンネル(5,825m)。
長いトンネルを抜けた瞬間、それまでとはまったく違う景色が目の前に広がりました。
どこまでも続く十勝平野。
山々に囲まれた風景から、一気に視界が開け、北海道らしい大平原が広がります。
線路は大きくカーブを描きながら新得へ向かって下り、やがて畑や牧草地が車窓いっぱいに広がり始めました。
十勝らしい風景を眺めているうちに、列車はまもなく今回の旅の拠点・帯広へ到着します。
十勝の玄関口・帯広駅に到着
PM4:18 帯広駅に到着。
札幌から約2時間20分。
山岳地帯を抜け、雄大な十勝平野を駆け抜けた特急おおぞら7号は、定刻どおり帯広駅へ到着しました。
帯広駅は十勝地方最大のターミナル駅で、特急「おおぞら」「とかち」をはじめ普通列車も発着する、十勝観光の玄関口です。
ホームに降り立つと、どこまでも広がる空とゆったり流れる時間が迎えてくれました。札幌とはまた違う、十勝らしい穏やかな空気が心地よく感じられます。
改札を抜けると、駅直結の商業施設「エスタ帯広」があります。
十勝のお土産やスイーツ、ワイン、乳製品などが揃い、旅の始まりにも終わりにも立ち寄りたくなる便利な施設です。
西館の「とかち食物語」には、豚丼や洋菓子店「クランベリー」など帯広を代表する人気店も並び、短い滞在時間でも十勝グルメを楽しめます。
駅直結ということもあり、雨や雪の日でも快適に利用できるのは嬉しいポイントです。
今夜の宿「十勝ガーデンズホテル」
まずは今夜宿泊するホテルへ向かいます。
今回利用したのは、帯広駅から徒歩約1分の十勝ガーデンズホテル。
翌朝は早朝からレンタカーで十勝北部へ向かう予定だったため、駅から近いことを最優先に選びました。
宿泊したのはモデレートツインルーム。
22㎡の客室にはシモンズ製ベッドが2台配置され、窓からは帯広駅前広場を見渡すことができます。
バス・トイレが独立したセパレートタイプというのも快適で、一日の疲れをゆっくり癒やすことができました。
さらに、このホテルの魅力が十勝名物のモール温泉。
植物が長い年月をかけて堆積した泥炭層を通って湧き出す世界的にも珍しい温泉で、琥珀色のお湯は肌触りがとてもやわらかく、「美人の湯」としても知られています。
■
旅の疲れを温泉で流し、気分もすっかりリフレッシュ。
少し休憩したあと、いよいよ帯広の夜へ出かけます。
夜は帯広グルメを食べ歩き
PM5:00
ホテルを出て向かったのは、徒歩約5分の場所にある「北の屋台」と「十勝乃長屋」。
帯広を代表する屋台村で、地元の人にも観光客にも人気の夜の名所です。
道路を挟んで二つの屋台村が並んでいるため、まずは端から端まで歩いて雰囲気を楽しみながら、お店探しをすることにしました。
どのお店も個性豊かで目移りしてしまいますが、今回は十勝乃長屋の奥にある「ちゃちゃ」さんへ。
10人ほどで満席になる小さなお店は、お客さん同士の距離も近く、店主との会話も自然と弾みます。
まずは生ビールで乾杯。
十勝産の極太アスパラ、馬刺し、じゃがいもコーンバター、サイコロステーキなど、十勝ならではの料理をいただきました。
特に馬刺しのたてがみは甘みとコクが絶妙で、この旅でも特に印象に残った一品です。
最近の帯広の様子や観光スポットなど、地元ならではのお話も聞かせていただき、屋台ならではの温かな時間を過ごすことができました。
二軒目は道路を渡って北の屋台へ。
立ち寄ったのはイタリアンバール。
おすすめしていただいたワインに合わせ、厚切りサーモンのカルパッチョ、本格窯焼きピザ、十勝産チーズの盛り合わせを注文します。
十勝の食材とワインの相性は抜群。
「もう一杯だけ…」と言いながら、ついグラスが進んでしまいました。
一日目終了。そして旅はいよいよ本番へ
PM7:00
まだ少し時間はあり、「北のうまいもん通り」を歩きながら「もう一軒行こうか」という気持ちもありましたが、翌朝はいよいよ今回の旅の目的でもあるタウシュベツ川橋梁へ向かいます。
ホテルへ戻り駅前の夜景を見ながら軽くシメの一杯を楽しんで就寝。
こうして北海道旅行一日目は終了。
北大祭で学生たちの熱気に触れ、特急おおぞらで十勝へ移動し、夜は帯広ならではのグルメを満喫することができました。
そして、旅はいよいよここからが本番です。
次回はレンタカーで十勝北部・上士幌町へ向かい、「幻の橋」タウシュベツ川橋梁を訪れます。
さらに旅は道東・阿寒湖へ。
ひがし大雪の雄大な自然、アイヌ文化が息づくアイヌコタン、そして美しい湖畔の景色など、北海道ならではの魅力が続々と登場します。
ユーチューブで一足先に次回十勝ドライブ旅をアップロードしておりますので是非ご覧ください♪
北海道旅行は、ここからいよいよ本番へ。ぜひ引き続きお付き合いください。

















































































































